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名古屋市緑区の加藤厚税理士事務所 相続税 贈与税 相続対策 中京大学非常勤講師

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力士の息子を扶養家族に出来るの

ちょっと珍しいご質問がありましたのでご紹介します。秋場所も中盤を向かえ優勝争いが混沌としていますね。

【質問】
 今長男は東京在住で序の口の力士をしています。息子はひと場所当り8万円の手当てと勝星によって数千円の奨励金を受けておりますが、私は力士である長男仕送りを月平均5万円ほどしているそうです。この場合、遠隔地の扶養家族として、「生計を一にする」とみなせるでしょうか。

【回答】
 所得税法の扶養親族の定義は、以下の要件をその年の12月31日現在においてすべて満たしている場合を指しますので、その確認をして下さい。

【解説】
1.配偶者以外の親族等。(親族とは6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます)
2.年間の合計所得金額が38万円以下であること。
3・納税者と生計を一にしていること

  力士の収入については、各場所の手当てや奨励金は「給与所得」として扱われる事になっています。従って息子さんの所得は、現状では給与所得控除(最低65万円)によってほとんどゼロになります。問題は3.に該当するかどうかです。

 「生計を一にする」の基準は以下とおりです。

 同一の家屋に住み、家計が一つの場合(二世帯住宅は同一の家屋でないため、生計を一にするとは言えません)。

 勤務、就学、療養の都合上、日常の起居を共にしていなくても生活費、学費、療養費等の送金が常に行われている場合。

 力士では、通常他にアルバイトもできないでしょうから同一の屋根の下に暮らしていなくても、長男の最大の収入は親からの仕送りでしょう。常に仕送りがされている状態は生計を一にしているといえなくもありません。ただし、力士の場合、所属する部屋の寮などに住んでいるのが普通で、そうなると家賃や食費等の負担があるわけではないので、仕送りで生活をしているといいきれない部分もあります。

 今の成績による収入では、遠隔地の扶養家族としてみなすことはできると思われますが、一日も早く幕内力士になって、逆に両親を扶養できるぐらいの成績を残されることを願っております。ガンバレ!


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